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原一男の日々是好日 ―ちょっと早目の遺言のような繰り言―

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【TBSラジオ 荻上チキ・Session-22】
 11月3日にラジオ出演しました。
 いやあ、私のスタッフが、なかなか厳しいタイプなので「前もって放送を聞いておきなさい」「番組が始まってすぐ“今日のニュース”のコーナーがあって、どのニュースが良かったか?とゲストは聞かれるから、その心の準備をしておくように」とか、やたらプレッシャーをかけてくる。でもスタッフのアドヴァイスは私には絶対なので素直に従う。しかし、“その場の瞬発力”で、これまで修羅場をくぐり抜けてきたので、まあ、何とかするから、と内心思っていた。

 さて本番の30分前にTBSに。ディレクターと打ち合わせ。1時間のコーナーなのだが実質は40分少々かな。だいたいの流れは把握して、あとは、ノリだよ、って自分に言い聞かせる。

 音楽を3曲選ぶコーナーがあって、私は下記の曲を。

① 「赤い橋」浅川マキ。

② 「織江の唄」山崎ハコ

③ 「真夜中のギター」千賀かほる

 ちょっと暗いかなあ?と危惧。だって前日番組を聴いてたら、1曲目がベンチャーズの「ダイヤモンドヘッド」だったものだから。つい、そんな疑問を持ってしまったのだ。スタッフにどうかなあ?と相談すると、個人の好みだから、明るい曲に変えたかったらディレクターさんに連絡するから…というので、ま、いいか、と判断。

 番組に出演して、何を喋ったかの詳しい説明は割愛するが、ラジオというものの本質って何…という極めて個人的な感想を。

 まず、とにもかくにもひたすら喋っていなければならない、という強迫観念にも似た“おびえ”があった。私は、どちらかというと頭の回転が速くて、というタイプではない。むしろ若いときに“愚鈍”とからかわれたほど。だから機関銃のように言葉を乱射するのは苦手なのだ。だが、スタッフはそういうことを要求しているんだな、という気配。仕方ない。

 いざ始まってみると、質問に答えようとして、頭の中で整理できないにうちに言葉が口から出ているのだが、喋りながら呂律が回っていないというのが自分でも分かる。したがって、頭の中では完全にパニック状態だった。だが救いは、荻上チキ氏が私の話を受け止めて、うまァく話を整理、キチンと落としていってくれていることが分かってホッとしたことは覚えている。若いのに大したものだなあと感服。

 番組が終わってから反省なのだが、今日は「さようならCP」の再発売をPRというのが主目的だったはず。にもかかわらず、話が水俣のことやら、アクションドキュメンタリー論のことやら、奥崎謙三の演技感覚のことやら、あっちに飛びこっちに飛び、いささか支離滅裂だったかなあ、と。そうはいうものの、司会の人がいて、私だけで流れを決めるわけじゃないしなあ。

 ま、完全に浮き足立っていた私だったが、ホントにアッという間に終わってしまった。フーッ! で、まだまだ、話し足りないなあ、と思っていたら、「是非、また、来てくれますか?」と言っていただいた。嬉しかったなあ!即、二つ返事。「ええ、ええ。喜んで!」
 そんなわけで、次が実現したら、今度は、じっくりと落ち着いて語りたいと思っています。
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