ドキュメンタリー映画の鬼才 原一男公式サイト

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作品情報

MOVIE

さようならCP

1972年/82分/16ミリ
監督・撮影:原一男
製作:小林佐智子
録音:栗林豊彦


あらすじ

CP(脳性麻痺)者の急進的な団体「青い芝」の人々の生活と思想をカメラに収めた、原一男監督の第一作。
障害者だからといって自ら片隅でこっそりする生き方は、障害者差別を容認することになると考え、その不自由な体を積極的に人前にさらしていく。
「CP(障害者)=健全者という関係の共通項が身体の階級性にあり私自身の〈関係の変革〉というテーマをベースにして、被写体=演じる者を、撮る側にどこまで見ることに耐えられるかを賭けてみたかった」(原一男)

極私的エロス・恋歌1974

1974年/98分/16ミリ
監督・撮影:原一男
製作:小林佐智子
録音:久保田幸雄
編集:鍋島惇
音楽:加藤登紀子


あらすじ

「私にとって映画はコミュニケーションの方法」という原が、かつて一緒に暮らし子どもまでをなした女を追って沖縄へ行き、彼女が自力出産を行なうまでを捉えた作品。
「極私」の極致へと到達した未踏のドキュメンタリーとして、原一男の名を一躍知らしめた問題作。
「生きることの原点を描ききった」「見る者を強烈にとらえてゆさぶり続ける恐ろしい映画」「真実を見ることの衝撃」などの絶賛を浴び、日本列島のいたる所で若者の強烈な支持を集めた。

ゆきゆきて、神軍

1987年/122分/35ミリ
監督・撮影:原一男
製作:小林佐智子
録音:栗林豊彦
編集・構成:鍋島惇
日本映画監督協会新人賞
ベルリン映画祭カリガリ映画賞
日本映画ペンクラブベスト1位
毎日映画コンクール監督賞、他


あらすじ

87年の日本映画界を震撼させた驚愕の作品。
天皇の戦争責任に迫る過激なアナーキスト・奥崎謙三を追った衝撃のドキュメンタリー。
神戸市で妻とバッテリー商を営む奥崎謙三は、たったひとりの「神軍平等兵」として、”神軍”の旗たなびく車に乗り、今日も日本列島を疾駆する。
生き残った元兵士たちの口から戦後36年目にしてはじめて、驚くべき事件の真実と戦争の実態が明かされる・・・。
平和ニッポンを鮮やかに過激に撃ち抜いた原一男渾身の大ヒット・ドキュメンタリー。

全身小説家

1994年/157分/35ミリ
監督・撮影:原一男
製作:小林佐智子
編集:鍋島惇
整音・現場録音:栗林豊彦
音楽:関口孝
出演:井上光晴、埴谷雄高、瀬戸内寂聴、野間宏
〈イメージ篇〉
デザイン:木村威夫、撮影:大津幸四郎
出演:金久美子
日本映画監督賞
キネマ旬報ベストテン1位・監督賞
毎日映画コンクール日本映画大賞
日本映画ペンクラブベスト1位


あらすじ

『ゆきゆきて、神軍』から7年、94年の日本映画各賞を総なめした大傑作。
小説『地の群れ』などで知られる、作家・井上光晴の生を描く長編ドキュメンタリー。
約40年にわたって創作=小説と格闘し、92年5月ガンに散ったひとりの小説家の「虚構と真実」が、インタビューを中心とする従来通りの記録映画的な部分と「イメージ篇」と名付けられた一種のドラマを交えて綴られる。
5年もの歳月を費やした原一男監督の意欲作で、埴谷雄高、瀬戸内寂聴などの作家が登場するのも興味深い。

映画監督 浦山桐郎の肖像

1997年/128分/関西テレビにて1998年1月3日放送
関西テレビ・疾走プロ共同制作
演出:原 一男
出演:須川栄三、藤田敏八、大空真弓、大竹しのぶ、高橋恵子、小栗康平、今村昌平ほか
放送文化基金賞受賞


あらすじ

不朽の名作「キューポラのある街」「非行少女」「私が棄てた女」を生みだし、吉永小百合、和泉雅子、大竹しのぶ、藤真利子らの女優を育てた伝説の映画監督・浦山桐郎。助監督を務めた経験を持つ原が、2年に及ぶ製作期間を通して完成した渾身の作品。

またの日の知華

2004年
企画・監督:原一男
制作・脚本:小林佐智子
プロデューサー:莟宣次
撮影:岡雅一
照明:山川英明
美術:大庭勇人
録音:西岡正己


あらすじ

『ゆきゆきて、神軍』で知られるドキュメンタリーの鬼才・原一男が手掛けた初の劇映画。激動の70年代を舞台に、吉本多香美、桃井かおりらがひとりのヒロイン・知華を演じ、4人の男たちとの愛を4つの章に分けて描き出す。

BOOK

ゆきゆきて、神軍―製作ノート+採録シナリオ

原 一男 、疾走プロダクション(編著)
1987年8月発売
出版社: 話の特集編集室


内容

映画の裏に潜む、主人公奥崎謙三との壮絶な人間ドラマ。問題作の撮影記録・シナリオ一挙掲載!

ドキュメントゆきゆきて、神軍

原 一男 、疾走プロダクション(編著)
1994年9月発売
出版社: 社会思想社


内容

主人公奥崎謙三(現在服役中)の行動は狂気によるものか、それとも神意か。「殺人の場面」の撮影を強要するなど、普通人のものさしでは計りがたいスケールで、自らを演出する奥崎と、ドキュメンタリー映画作家の壮絶な戦いが読者のキモをつぶす。これは、最新作「全身小説家」で注目をあびる原一男監督の出世作「ゆきゆきて、神軍」の製作秘話である。採録シナリオ一挙収載。

全身小説家―もうひとつの井上光晴像

原 一男(著)
1994年10月発売
出版社: キネマ旬報社


内容

ガンで逝った異能の作家・井上光晴の文学の原点での相克を活写、「ゆきゆきて、神軍」から7年、原一男渾身のドキュメンタリー映画製作録。製作ノート・採録シナリオも掲載した、活字版「全身小説家」。

踏み越えるキャメラ―わが方法、アクションドキュメンタリー

原 一男 (著), 石坂 健治 (編集), 井土 紀州 (編集)
1995年7月発売
出版社: フィルムアート社


内容

「さようならCP」「極私的エロス・恋歌1974」「ゆきゆきて、神軍」「全身小説家」の4本の作品を検証。奥崎謙三、井上光晴をとらえ、正気と狂気の境界を踏み越える鬼才・原一男。時代の根幹を揺さぶる衝撃的メッセージ。

親と子の情景―立木義浩写真集

1996年7月1日発売
出版社: 毎日新聞社


内容

著名人100人の親子像を2年半かけて撮りためたポートレート集。照れくささの中に愛情がほのかにみえる、ほほえましき素顔の数々。94年新年号から『サンデー毎日』連載。原は長女・風実とともに登場。

映画に憑かれて 浦山桐郎―インタビュードキュメンタリー

原 一男 (編集)
1998年4月発売
出版社: 現代書館


内容

不朽の名作「キューポラのある街」「非行少女」「私が棄てた女」を生み出し、吉永小百合、和泉雅子、大竹しのぶ、藤真利子らの女優を育てた映画監督・浦山桐郎。映画に夢馳せた男のすべてが、関係者の言葉で甦る。

自殺

柳 美里 (著)
1999年12月発売
出版社: 文藝春秋


内容

「最初に自殺を考えたのは小学六年生の時です」──自らの未遂体験を通じ、芥川賞作家・柳美里が高校生に問う、生きる意味。作家、マラソン選手、アイドル歌手、いじめによる中学生の死など、多くの自殺具体例の核心を見据えて掲げられる、逆説的自殺のすすめ。私は「自殺を肯定しているのか、それとも自殺の抑止について語ろうとしているのか」。読者は透徹した視点で「生きること」「死に向かうこと」を社会構造とともに解き明かす本書をいかに捉えるべきなのか?原は【解説「息子のこと」】を書いている。

屈せざる者たち

辺見 庸 (著)
2000年3月発売
出版社: 角川書店


内容

深作欣二、船戸与一、河野義行、遠藤誠、西江雅之、串田孫一、北林谷栄―誇り高き自由人12人と作家辺見庸が交わす、憤怒と笑いと感動のことばの数々。自分史、オウム、破防法、戦後日本の虚妄、家族の崩壊、愛と死、文学、映画、暴力、狂気について、静やかにときに激越に語り合う。日本のいまとこれからを読み解き、人間精神の深層に触れる、味わいつきない対論集。原は【暴力と狂気と表現】で対談。

メディア異人列伝

永江 朗 (著)
2005年3月25日発売
出版社: 晶文社


内容

硬派・軟派、右派・左派、地道な学者からAV女優まで、多彩なジャンルの異人を網羅。1993~2004年における日本のメディア状況が読み取れる、一大メディア年代記。『噂の真相』連載11年分を一挙まとめて単行本化。1994年の原のインタビューが掲載。

沈黙より軽い言葉を発するなかれ―柳美里対談集

柳 美里 (著)
2012年9月4日発売
出版社: 創出版


内容

いま良しとされている規範・基準から、知らず知らずのうちに外れている、あるいはそれに疑義を呈している8人の著名人と著者の対談集。3・11以後の表現、現実とフィクションなどについて語り合う。原は【第5章 フィクションだからこそ本当のことを】で対談。

観ずに死ねるか ! 傑作ドキュメンタリー88

2013年3月29日発売
出版社: 鉄人社


内容

編集部が独断と偏見で「傑作」と見なした88本のドキュメンタリーを作品に関係の深いクリエイター、パフォーマー、文筆家が個人的な視点で論じた1冊である。その数、総勢73人。中には、映画の内容にはほとんど触れず、作品をダシに自身の人生のみを語った文章もあるが、それもまた望むところ。繰り返す。まずは面白くなければ人には伝わらない。そして最大級の自信も持って言おう。本書に載った全てのドキュメンタリー、観ずに死ねるか! 原は『キャロル』(1973年 企画・構成・演出:龍村仁)を、また『極私的エロス・恋歌1974』を松江哲明(映画監督)、『ゆきゆきて、神軍』を田原総一朗(ジャーナリスト)、『全身小説家』を中村うさぎ(小説家)が担当。

私の「戦後民主主義」

岩波書店編集部(編)
2016年1月27日発売
出版社: 岩波書店


内容

「二〇一五年安保」や原発問題、沖縄基地問題など、民主主義のあり方が最大の焦点になっている。戦争は二度とやらないと誓った憲法とともに育まれてきた「戦後民主主義」の意義とは? 「自由」や「人権」、「平和主義」に、各人が自分の持ち場で、どうやってもう一度、息を吹き込んでいくか? 各界を代表する約四〇名が考える。 原は「私の出生をめぐる「謎」――戦後民主主義を生きて,いま」を書いている。
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