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テレビドラマに出演の弁。
※ヨシムラ管理人がせっかくブログをリニューアルしてくれたっていうのに、肝腎の私の原稿が2カ月以上も、ご無沙汰。申し訳ないコトデス。別に遊びほうけていたわけではないんだけどね…。水俣の取材やら疾走プロの仕事やら近江八幡の「遺言プロジェクト」やら目一杯、働いてたんですよ。でブログの原稿を書かねば、と思うものの、集中力が全く欠けてしまって、全く書けない状態がずーっと続いてというわけです。忙しすぎるのも問題だよなあ。でもあんなに暑かった猛暑も過ぎ、大学も後期が始まり、落ち着いてきて、何とか書けるかな、という環境になってきましたので、気を取り直して、再開!


ぜひ、原さんに、ご出演を、と請われてテレビドラマに出演しました。
プロデューサーから出演依頼の電話を受けたとき、尋ねてみた。
「なぜ、私に?」
「監督がなんとか原さんにという強い希望を持ってまして…。」
「私の出演作品を見て、そう思われたんでしょうか?」
「いえ、原さんのファンで、ぜひにということで…。」
つまり、『ゆきゆきて、神軍』の熱烈なファンだそうで、そう言われて悪い気はしないよね。がホント言うと、ちょっと軽い失望感があったのだ。私としては過去2本の作品(『ときわ荘の青春』と『いたい二人』)に役者として出演しているので、その作品を見て、と言ってもらえたらすごくうれしかったのだが…。ま、いいや、役者として出演できるなら、と思い、受けることにした。過去2本の作品に出演して、また機会があったらやってみよう、と願っていたので、断る手はなかった。

作品のタイトルは『トンスラ』。放送作家として人気がある都築浩の処女小説『トンスラ』が原作だとのこと。主役は温水洋一と、蜷川幸雄監督『蛇にピアス』(未見です)で主役をはった吉高由里子。連続もので、毎回、監督が代わるという。送られてきたファックスに書いてある監督たちの名は私には馴染みがないが若手で売り出し中の面々だそうな。ちなみに私を指名してくれた監督は、三木聡という人だそうだが、もちろん面識はない。私の出番は第1話で、役どころは、コメンテーターというかキャスターというか。ゼリフが長すぎると憶えられるかどうかと不安だったが台本を読むと、まあ、そんなに長くはない。他の人と絡む設定でもなく、ま、ボロが出るということもなく、問題なく演じられるだろうと一安心。いや、もっと癖のある、ちょっと強烈な役柄を期待していたが…。

台詞の覚えは、一週間前から開始。水俣の取材の合間に台本をチラチラと何度も目を通し頭に入れていく。水俣の取材を終えて大阪に戻る途中、そして近江八幡の「遺言」プロジェクトの取材の段取りをこなし、新宿への帰路、台詞を声を出して、イントネーションをどうするかなどと思案しつつ、中央高速を飛ばす。

深夜に新宿に帰り着いて、一眠りして、その日の夕方には撮影というスケジュール。制作会社のテレビマンユニオンに5時集合。『またの日の知華』の時にチーフ助監督をやってくれた森ちゃんが出迎えてくれる。彼とは、私の出演作『ときわ荘の青春』の時もチーフ助監督で、三たびの顔合わせということになる。初めての現場で知った顔があると心強い。ここで三木監督に挨拶。

衣装を持ってきて欲しい、というので自前のジャケットを2番、用意していたものを監督に見せ、選んでもらう。続いて、メーク。このとき、今日の出番が終えたらしい主役の温水氏がメークを落としに現れ、挨拶。そうこうするうちに、出発しまーす、ということでロケバスに乗り込む。まもなく本番だと思うとさすがにドキドキと緊張してくる。目的地に着くまで、台詞のチェックを幾度も反芻する。

私の出番のロケ場所は、新宿西口の大ガードすぐの交差点。新宿駅西口のロータリーに着き、準備。衣装を着替える。まもなく「お願いしまーす」と森ちゃんに案内されて撮影ポイントに移動。

日が暮れる間際の胸騒ぎの時間帯。多くの人々が交差点を行き交う。この雑踏のなかで、歩きながらコメントふうにしゃべる、という狙い。

内心、一発でOKを出してみせよう、と意気込んでいたのに、監督から、次の信号が変わったら本番いきます、と言われ、NGだしたら嫌だなあ、と急に弱気になる。が、サイは投げられた、と自分に言い聞かせる。直前、台詞の最終チェック。何度も繰り返し、練習したはずなのに、アレッ? 何だっけ? とド忘れ状態に。焦る。なんとか思い出し、いざ、心の準備。

信号が青に。さ、いきます!の三木監督の声。テストなしのいきなりの本番だ。歩き出して5〜6歩で台詞を始めて下さい、という指示。

頭が真っ白、というほど極端ではなかったが、それに近い状態。台詞を一瞬一瞬思い出しながら喋る。ところどころ、つっかえる感じ。この台詞のときには腕をこう動かして、という演技プランの設計をしていたのに、ほとんど余裕がなく、切れ切れに台詞を言うのが精一杯、と、焦ってるうちに、カット!の声がかかった。「今、チェックしますから」「はい」と答え、三木監督とスタッフがモニターでたった今のテークを巻き戻し、覗き込んでいる。待ちながら、もう一回と言われるかな? いや、自分の方からもう一回やらせて欲しい、って言おうかな、と思いを巡らせていると、「ハイ、OKです!」と三木監督。「いやあ、さすがですねえ」と言ってくれた。

一発OKで、ホッとした。が同時に、自分ではイマイチかな、という実感があったので、え? これでいいのかな? という不安もあり、ちょっと複雑な感情が交錯する。が「オツカレさまでしたぁ」の、現場につきあってるプロデューサーの声に、ま、いいか、と自分に、これで終わり、と言い聞かせた。

今度は、もう少し、オモロイ役を回してくれるかな、などと甘いことを考えながら帰途についたのでした。

あ、オンエアーは10月4日(土)深夜0:55〜1:25です。興味のある方は、見てみてください。

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