月刊 平野勝之(第二十一回)原一男×平野勝之「虚実皮膜」ドキュメンタリー対決第三弾が決定しました

原一男×平野勝之 ドキュメンタリー対決第三弾!! 昨年のnew「CINEMA塾」、5月の“自力出産”対決に続いて、今度は「虚実皮膜」。 今度も爆笑必至(?)の対決が期待されます。 月刊 平野勝之(第二十一回)原一男×平野勝之「虚実皮膜」   日時:2015/9/19(土)15:15開場/15:30上映 ※受付開始時刻は14:15(開場時刻の1時間前)から 料金:一律¥2,600 会場:渋谷UPLINK FACTORY(1F)

■タイムテーブル

15:15開場/15:30上映『全身小説家』(157分) 15分休憩 18:30上映『わくわく不倫講座』(106分) 15分休憩 20:30~21:30トーク http://www.uplink.co.jp/event/2015/39634 「虚実皮膜」とは、近松門左衛門の「芸の真実は虚構と現実の狭間にある」という有名な言葉ですが、今回は再び映画監督の原一男さんをお招きして、この問題をみなさんと考えてみたい、と思ったのが発想の元でした。と言うのは、偶然なのですが、たまたま原さんも僕も、1994年前後に、お互い知らないところで、「虚実皮膜」になってしまうような内容の作品を制作していたからでした。これは単なる偶然か?何かのご縁か?原さんが前回コメントいただいたように、もしかしたら、僕と原さんは何かしらの因縁が昔からあったのかもしれません。不思議な話なのですが、気付いた以上は上映しなくては!と思ったのです。20年の歳月をえて、今、何が見えてくるでしょう?ぜひ皆様、ご覧になっていただきたいと思います。原さん、今度はウンコはありません(笑) (平野勝之) 平野兄から今回受けた3度目の“果たし合い状”の大義名分は、「虚実皮膜」。 我々は、よく、“糞まみれ,泥まみれ”という表現は使うが、それは修飾的な言い方だが、平野兄の場合は、糞まみれは、実物だもの。これには、逆立ちしても勝てない! ま、今回は、糞=うんこは出てこない、とうから一安心! …といいたいところだが、くせ者の平野兄のことゆえ、思わぬ伏兵が飛び出てくるかもしれない。油断大敵だ。気を引き締めて臨もう。 平野兄の言うとおり、彼と私は年齢は離れてはいるが、大きなくくりでいえば、“同時代”に生きているんだなあ、としみじみ思うが、問題意識に共通点があるのだ。 ドキュメンタリーは、もろ、その時代時代を反映するものだし、時代のもつ“気”というようなものを記録する。平野兄は、AVの世界で、時代の精神をドキュメントしてきた。私は私で別のフィールドで時代の精神を記録してきたが、両方を照らし合わせながら、時代を浮かび上がらせたい、と願っている。 (原一男)

『全身小説家』がWOWOWプライムで放送されます

『全身小説家』が放送されます。 『全身小説家』(1994年/日本/157分) 9/12(土)午後1:50 WOWOWプライム<初回> 10/13(火)午前4:15 WOWOWプライム http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/106807/index.php?m=01 番組紹介/解説 「ゆきゆきて、神軍」の原一男監督が日本の戦後文学を代表する作家・井上光晴の晩年を密着取材し、自らの人生をも虚構で彩った“全身小説家”の実像に迫った渾身の力作。 アナーキスト・奥崎謙三の型破りな行動を追った衝撃の問題作「ゆきゆきて、神軍」から7年。原監督が本作では、日本の戦後文学を代表する作家・井上光晴を撮影対象に選んで密着取材。がんと闘いながら精力的に活動を続けた彼の晩年の姿を追うとともに、埴谷雄高、瀬戸内寂聴ら、関係者たちの証言や映像を織り交ぜながら、自らの人生を文学的虚構で彩ることも辞さなかった彼の複雑な実像に肉迫。1994年度キネマ旬報日本映画ベスト・テン第1位や、毎日映画コンクール日本映画大賞に輝くなど、再び高い評価を得た。 ※初回放送時の情報を掲載しております。   内容/物語 「地の群れ」などの名作で知られ、日本の戦後文学を代表する作家のひとり、井上光晴。昭和52年、自らの第二の故郷たる長崎の佐世保に文学伝習所を開設。以後、そこを自らの拠点として、晩年はがんと闘いながらなおも精力的に活動し、埴谷雄高、瀬戸内寂聴ら、長年の知人と交遊する彼の姿をカメラは追うが、やがて関係者たちの証言を通して、彼が自らの人生にさまざまな文学的虚構を施していた意外な事実が次第に浮き彫りとなる。

「ノンフィクションW ゆきゆきて、原一男 ~反骨のドキュメンタリスト 70歳の闘争~」がWOWOWプライムで放送されます

原一男監督の密着ドキュメンタリーが放送されます。 新作の撮影現場の紹介もありますので、ぜひご覧ください。 ノンフィクションW ゆきゆきて、原一男 ~反骨のドキュメンタリスト 70歳の闘争~ 9/12(土)午後1:00 WOWOWプライム<初回> 9/14(月)深夜0:00 WOWOWプライム http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/107043/ 番組紹介/解説 世界的に著名なドキュメンタリー映画監督の原一男。映画『ゆきゆきて、神軍』などで、戦後日本を問い続けてきた彼が、70歳を迎え、2015年に発表する新作に迫る。 映画監督・原一男。かつて天皇の戦争犯罪を追及したアナーキスト奥崎謙三を追った『ゆきゆきて、神軍』や、小説家・井上光晴の虚構の生い立ちをつまびらかにした『全身小説家』などのメガホンを取り、日本のみならず世界に衝撃を与えたドキュメンタリストだ。1972年の『さようならCP』でデビュー以来監督した作品は1本の劇映画を含めわずか5本。そんな今年70歳の原が約20年ぶりに新作ドキュメンタリーを製作し公開するという情報がもたらされた。 早速、番組の取材班は原への密着を開始。だが、作品の製作が予定より遅れる一方、並行して進めようとする企画の数は増えるばかり。原の胸中には一体何があるのか?教授を務める大阪芸術大学での授業風景や、“伝説のドキュメンタリスト”原一男の人物像に迫るとともに、何故、彼が新作の出来に納得いかず苦しんでいるのか?その理由を探っていく。 世界的に著名な映画監督・原一男が新作ドキュメンタリーの完成にあと一歩のところで難渋している。“常に最新作こそ最高傑作である”“輝かしい過去の数々の傑作をあえて振り返らない”そんな原一男にして、70歳という年齢は時代とともに歩むドキュメンタリストの終わりの到来なのか?若いドキュメンタリストたちとの交流、まだまだ実現していない映画の夢、さまざまな企画が、原一男を立ち止まらせない。常に前進しようともがく、熱く焦燥に満ちた現在を追う。 ※初回放送時の情報を掲載しております。   内容/物語 映画監督・原一男が約20年ぶりに手掛ける新作ドキュメンタリーの主人公に選んだのは、大阪・泉南地域のアスベスト災禍に苦しむ人々だった。『ゆきゆきて、神軍』や『全身小説家』など、今まで“表現者”の生きざまを描いてきた原にとって、市井の人を主人公にするのは初の試み。それは“生活者は撮らない”という自らの誓いを覆してまでの挑戦だったが、約8年も密着しながら納得できるシーンが撮れないと語る。それは“表現者=スーパーヒーロー”不在による物足りなさだった。従来の原作品は、撮る側も撮られる側も命懸け。だが、一般の市民にそこまでの覚悟はない。 撮影は原の期待するように進まず、だが一向に解決策すら見えない。それにも関わらず、敬愛するジャーナリスト田原総一朗への取材など、複数の企画を同時進行で進めていく。原が映画を完成しないのは意図的なのか?その理由を探るうちに、彼の意外な胸中が明らかになる。   放送前夜 「また泣いたんだって! ヤダヤダ! 見たくない! 恥ずかしい!」と、相方のプロデューサー、小林佐智子がほざいてます。コンチキショー! 泣いてる姿を曝す私が一番恥ずかしいと思ってるのに! ヒトの気も知らないで。 いやぁ、現場で何度も涙を流したなあ。 でも仕方ないよなあ、今回の取材は、私が貧乏だった頃の、過去の悲しい思い出を辿っていったわけだから。 私の故郷の山口県宇部市の炭鉱住宅跡や、山口市を訪ねました。 率直に言いますが、私は「母ちゃんっ子」です。父親である人を全然知りません。 母親は苦労して苦労して私たち子どもを育て上げてくれました。 そんな母親の事を語ると思わず涙がこぼれたって仕方ないやないか! 親子ほど年令の離れたディレクターが私を見て何を感じとったんだろうか?と、私にしても不安なもんですよ! 私は今回は撮られる側、いわばまな板の鯉。私がいくらヤキモキしたってなす術がないでしょ。 まあ、不様に写ってないことを祈るばかりです! 原一男 (2015年9月11日)